Millennium wall plate1999-2000
アラビアムーミン歴15年以上!の私ですが、はじめて自分のために買ったプレートがこのミレニアムプレートです。(出産祝いや誕生日プレゼントにチルドレンセットなどをあげたりはしていたけれど)
ミレニアムを買うまでは、マグカップ一筋!が10年近く続いていました。
実家では壁にヨーロッパのウォールプレートがずらりと並んでいるような家庭で育ちましたが(毎年母の誕生日はマイセンのメルヘンプレートで、実家の絵皿の枚数更新中です)
私自身は「日本は地震が怖いしね」と、そういう気はさらさらなかった頃です。
おそらく人生ではじめて陶器を壁に飾ったのは、イギリスの名釜ウェッジウッドから1986年〜1996年に発売されていた『機関車トーマス』シリーズの皿時計だったと思います。息子が3歳の頃です。
このトーマスシリーズも、今でもとても好きで、私が把握している限りたった1つのアイテムを除いてはコンプリートしたはず。こういう風に書いていると、自分でもなんとたくさんのものをコレクションしているんだろうとちょっと呆れてしまうほどですが。
ちょっと脱線してしまいましたが、そういうわけで飾るための絵皿というものにほとんど興味がなかったのですが、このミレニアムプレートだけはもう見た瞬間にレジに持っていくほどの衝撃でした。
この色、大量生産品とは思えないペールトーンの、パープルがかったアイスブルー。
絵皿のデザインのレイアウトもクールです。
主役のムーミン一家をはじめとするメインキャラクターが奥に引っ込んじゃって、
手前に誰だかわからない謎の二人がどどーん。
ふつうの絵皿なら真ん中にキャラクターやメインの絵柄が来るのですが、
中心部分は雪に覆われたムーミンハウス。
それすら少し中心からは外れていたりして…なんだかかすかなカルチャーショックのようなものすら感じたのを覚えています。
それに、loveのマグカップなどでもそうなのですが、
平和、とか、のどか、とは到底言いがたい不吉な予感のする空の描写。
太陽の表現も含めて「この世の終わり?」と見るたびに思ってしまったくらいです。
でも、最近、ムーミンの原作本やコミックスなどを読むにつけ、
フィンランドの冬の厳しさをムーミンを通してですが少しは理解するようになってくると
「フィンランドの人にとって冬の空はこういう空なのだろうなぁ」と納得したりもします。
私は冬にフィンランドを含む北欧を訪れたことがないので
夏の北欧の緑や水に心を奪われてしまうのか、空の印象は驚くほどありません。
向こうのほうでは誰が打ったか花火があがっています。
ムーミンハウスは明かりがついていますが、煙突には雪が積もっている。
ということは、ムーミン一家は冬眠中なのを御祝いのためにちょっとだけ起きてきただけ、という感じなのでしょうか。
屋根には2000年の旗がはためいています。
皿の中で一番目立っているのがこのお二人。
花火に点火しようとしているヘムレンさんと、黒ヤギのようなルックスの謎の人物。
『さびしがりやのクニット』の表紙にもフィリフヨンカ婦人と一緒にどどーんといらっしゃる人と種族は同じだと思うのですが、今だに誰だかわからない。
ご存知の方、教えてください。
黒やぎさんの飲んでいるのはグロギでしょうか。
そういえば、ヘムレンさんもトゥーティッキーと同じような「鳥の脚」ですね。
左のほうのほら穴には、スニフが気持ちよさそうに眠っている。冬眠中かな?
スニフの横にはプレゼントが。ムーミンママかサンタからのプレゼントでしょうか…
左側の上部は、絵皿の大部分を占めている樹氷。
雪が積もった木々の持つ、独特の美しさと畏ろしさが表現されていて、実はこのプレートの主役は
雪なのでは、と思ったりして。
ムーミンの世界が持つ、「自然への畏怖」が余すところなく表現された
すばらしいプレートです。
アップ画像を撮り忘れましたが、誰が飾ったのか樹氷の間に星のオーナメントが飾られています。
星を見るついでに1枚目画像をもう一度見ていただきたいのですが
雪の上には足跡が残っています。
ムーミンハウスから出たいくつかの足跡の反対側にひとつの足跡が森のほうに向かっている。
これは誰の足跡なのでしょうね…
足跡を見る限りは、スニフもついさっきまでは起きていてムーミン一家とお祝いをしていたみたいです。リトルミイの横で一緒に乾杯しようとしていたのに、冬眠中に起きたので、眠くてたまらなくなって1人穴に戻ったのかな、って足跡ひとつからもストーリーがふくらみます。
絵皿の奥に引っ込んだキャラクターたちが、ミレニアムを祝って乾杯しています。
ムーミントロール、パパ、ママ、スノークのおじょうさんと、『ムーミン谷の冬』で大活躍のトゥーティッキー、リトルミイ。
みんなが乾杯しているのにリトルミイだけ抜け駆けしてシャンパンを飲んじゃってるところが
ミイファンにはたまらない一枚だと思います。
他の5人は普段着(?)なのに、パパだけシルクハットに飾りをつけています。
となると、森の木に星を飾ったのはきっとパパですね。
「こういうことはわたしがやるべき仕事なのだ」とか言いながら、ちょっと威勢よくプライドを持って。