3/6

絵本『さびしがりやのクニット』の原画を
そのままアラビア社が6枚組の絵皿に仕立てあげた
クニットシリーズの一枚です。


実物を手にしてはじめてしげしげと眺めたのですが、鮮やかな色彩といい、八角形の形といい、
とてつもなくモダンでしゃれています。
たとえムーミンが好きではない人でも「これなら飾ってもいいよ」って言いそうなくらい。


『さびしがりやのクニット』の中で
ヘムレンが花火に火を点けているシーン。
この絵柄の頁は見開きの左側の頁なのですが、
右側ではホムサが赤いふうせんつきの回転ブランコに載っていたり、
ムーミントロールたちがダンスをしていたり
フィリフヨンカや、トゥーティッキがにこにこと楽しそう夜を楽しんでいる極彩色のシーンが拡がる頁です。
それとは対照的に暗い森の中に一人っきりで立ちすくむクニット。
クニットと、クニットをとりまく世界はモノトーンです。




裏を見てみると3/6とあります。
一瞬、「世界で6枚作られたうちの3番目?」と阿呆なことを考えましたが(爆)
そんなわけがありません。
ちゃんとLimited edition 10.000 pcsと明記されていますから、製造当時から1万枚限定だったということになります。
3/6というのは、つまりこの絵皿は6枚組で、
6枚全部そろえると、『さびしがりやのクニット』の絵本ができあがる、という仕組みのようです。
このデザインの絵皿は3番目のストーリーなのでしょう。
そんなこと書かれると、全部欲しくなりますよね。(笑)

裏面の上部には、数カ国後で『さびしがりやのクニット』というタイトルが書かれています。
上から
フィンランド
スウェーデン
英語
ドイツ語
の順で記されていますが、『さびしがりやのクニット』を見てみると
原題が『Vem Ska Trosta Knyttet?』となっていて、スェーデン語になっています。
私はフィンランドスウェーデンもほとんどまったくわかりませんが、
フィンランド語ではKukaが、スウェーデン語ではVemが、「誰」に当たることは知っています。
童話と同様、絵本もスウェーデン語で書かれているのですね。


「クニット」という日本で親しまれている呼び方は、原作のスウェーデン語のKnyttetから来ていることがこの皿だけからでもわかりますね。
この皿によるとクニットは
フィンランドだとNyytia(aはウームラウト)。
英語だとToffle。
ドイツ語だとLillan。


あまりにも違いすぎて、他の言語を母国語とするムーミンファンの人たちとお喋りするのって
かなりの困難が予想されますね(笑)。


SW大好き歴すでに30年の私の旦那が、ある時トイショーで知り合ったスコットさんというアメリカ人を
いきなり家に連れてきたことがあります。
私は英語なら生活に不自由ない程度はしゃべれるので問題なく会話できたのですが
夕食後、みんなで温泉に行き、息子を寝かせた後、
不自由があるなら通訳をしてあげようかなと旦那のSWコレクションが陳列されているSW部屋の前に行くと
ドアは硬く閉じられており、
中からスコットさんと旦那の楽しそうな笑い声が聞こえてきます。
旦那は英語ははっきりいって中学1年レベル?って感じですが、
その笑い声は深夜までやむことはありませんでした。
登場人物の固有名詞やコレクター特有の言語が共通であれば、ファン同志、会話にはこと欠かないのだなと
妙に納得したものでした...


と、ところがムーミン界ときたら、固有名詞がこのように国によって全然、ほんとうに全く違うようなので
みんなどうしてんのかなー、とふと心配になってしまいました。
手元に、絵本や童話の登場人物紹介頁でも開きながらしゃべってるのかもしれませんね...


まぁ、それもアリか...