Toffle and Miffle

アラビアムーミンシリーズのミニプレートは、集めているのかいないのかと訊かれたら「集めていません」と答えると思います。
廃盤やセールなどのきっかけで買ったものと
国内外のオークションで安いなと適当に入札して、気が付いたら落札していたものなどを
漫然と持っているという感じ。
もちろんコンプリートするつもりもないのですが、その中でも何枚かは
「これはいいな、機会があれば欲しいかも…」と思っている絵柄もあります。
そういう「機会があれば…」のうちの1枚、
「Toffle and Miffle(和名:クニットとスクルット)(フィン語名:Nyyti ja Tuittu)」のミニプレート。

いわずと知れた絵本『さびしがりやのクニット』のラストシーンのイラスト(モノクロ)にアラビアが彩色をほどこした1枚。
「……それから ふたりは、 ずっーと いっしょに、しあわせに くらしました……。 おわり」
という文がつけられたハッピーエンドのシーンです。

65周年記念マグ「Night Sailiing」の配色に似ていますが、もっと淡く、もっと繊細な色づかい。
はかなげと言ってもいいくらいです。
貝殻やクニット、スクルットの細やかで、繊細な線は原画のままに、
かなり控えめな彩色のセンスは本当にすばらしい。
おそらくこの時代のアラビアムーミンシリーズはトーベ・ヤンソンが監修をしているでしょうからこのセンスなのでしょうが…とにかく実物は写真や、言葉では表現できない美しさです。
この美しさが商業デザインで可能とは、アラビアの技術はすごいなぁと感動します。

微笑をたたえて座っているクニットとスクルットの桜貝のような頬。
皿を飾る習慣がないのですが、このミニプレートは飾ってみようかなと思ってしまいますね。


このプレートは1990年から93年のデザインでかなり製造数が少なく、市場でみかけることもあまりない大変稀少な品なのですが、
なんとなんと、革ポーチを送ってくださった荷物の中に
同じデザインのエーケルンドのランチョンマットに包まれてひっそりと入っていたのです。
もうびっくり仰天してあわててTさんにメールをすると「お礼です」って。
お礼って何のお礼だよ〜〜〜〜っと冷や汗かいて大恐縮したのですが、
実物を手に取って眺めていると、純粋に「あぁ、きれいだなぁ」と感動できる美しさの魅力の虜になって、結局頂いてしまいました。(汗)
ほんとうにきれいなんですよ、このミニプレート。
他のすべてのミニプレートをいつか手放しても、この「Toffle and Miffle」だけは大切にしようと思います。


本当に、素敵な贈り物をありがとうございます。